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07: Rumba #1

  私はRumbaに魅了された。

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 CubaでいうRumbaは社交ダンスでいうルンバとは全く違うモノで、 元々はアフロキューバン宗教のサンテリーアの儀礼音楽をルーツとしていて、 Cubaの新たな都市民俗音楽として世俗的な楽しみの場から生み出されてきた音楽だ。

rmb03.JPG Rumbaは複数の打楽器と歌だけの編成で演奏される。主に使用される打楽器は、コンガ(Cubaではトゥンバドールという)、カホン(最近日本の ストリートでもよく使用されているカホンよりはもっと無骨な造りで、主に低音を出す為に コンガと合わせて使用される)、バタ(細身のDjembeの様な形をしていて、両側に皮が張ってある。 膝の上に横向きに抱え両手でそれぞれの皮を叩く。通常3人で大中小のバタを叩く)、 バンブー(カイユエーラというらしい。竹の棒を横たえてスティックで叩く)、 クラーベ、カウベル、ブロック、マラカス、シェケレ(ビーズが付いた網が木の実に張ってあり、 振ったりその網をこすったりする)、ボンゴ、ティンバレス、etc...。
 バンドにより曲により編成は微妙に変わったりもする。基本的にはクラーベとバンブー等が一つのパターンを繰り返し(3連系の符割のパターンが多い)、 それに複数の(通常3人位か?)コンガがインプロビゼーションと思われるフレーズでグルーヴをつくりつつ 自由に暴れまわる。ポリリズムである。その上に語部ともいえるリードヴォーカルが歌い上げる。このリードヴォーカルは通常男性であることが多い。そしてリードヴォーカルに応えるかのように複数人の女性を中心としたコーラスが入る。コンガではなく3台のバタで織りなすポリリズムで演奏される曲もある。

rmb04.JPG Havanaに到着して2日目に、幸運にも国立民族舞踊団にレギュラー出演しているとあるRumbaバンドの リハーサルに顔を出させて頂く機会に恵まれたことが、私とRumbaとの出会いだった。リハーサルはバンドのリーダーの家のベランダで行われていた。正式メンバーがなかなかそろわず、近所の方々やらなんやらが混ざって演奏する。曲によって楽器を入れ替えたりしていたが、上手い人はどれを叩いても歌っても踊っても上手い。
 規則的なグルーヴの上に乗る、ヴァリエーション豊かなグルーヴ。それらが複雑に絡み合う。その上にのるハリのある伸びやかなヴォーカル。彩りを添えるコーラス。フリーであり、フリーではない。この感覚はShinagawa Djembe Posse(※1)でたまに得られる感覚に近い。とはいってもSDPでも非常に上手くいったセッションの時にだけ得られるものだ。それを臨時メンバーでのリハーサルで定常的に出す。プロとアマチュアの差とは言い切れない。人種の違いのせいだと思うには軽率だ。常日頃から音楽に包まれて音楽と共に生活をしている環境による経験の差なのだろうか?

 それを知るために私は再びこの家を訪れることになるのだった。


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※1:Shinagawa Djembe Posse(SDP)。当時毎週火曜夜に品川駅港南口前でDjembe(ジェンベ)というアフリカの打楽器複数台での演奏活動をしていたグループ。多い時では20台以上のDjembeが集まるときもあった。当時Chubinも活動に参加していた。

参考文献:
キューバを知るための52章 後藤政子、樋口聡(編著) 明石書店
キューバ―情熱みなぎるカリブの文化大国 WCG編集室 (編集) トラベルジャーナル

2006年6月3日初掲載





タグ:rumba Havana Cuba
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