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04: Havana #4

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cf04.JPG Havana滞在中の朝食は、前日中にパンとオレンジジュースを買ってきておいてCasaで食べるか、 近くのCafeに食べに行くかだった。近くのCafeのBreakfast Menuはパイナップルジュースとハムとチーズのサンドウィッチとコーヒー。野菜がないじゃん。サンドウィッチにレタスがはさんであるわけもない。
他に野菜系のメニューがあるわけでもない。じゃあ、昼食や夕食で野菜を多めに摂って補おうかと思っても、それもなかなか難しかったりする。

 キューバの料理は美味しくないという定説がある。それはあながち間違ってないかもしれない。基本的に物資が少ないので食材の種類が少ない。新鮮な野菜もあまり流通していないのかもしれない。

 Cuba国民は食料の配給を受けている。詳細はわからないが、米と豆と根菜を中心としたもので、 子供なら子供なりに成人なら成人なりに死なない程度の栄養価分の分量だけ配給されるらしい。ちなみにさすが葉巻が主要産業の一つの国らしくタバコも多くはないが配給されるらしい。配給された食糧だけで足りるのか?というと実際はそんなことはなくて何とかして他の食材を買って補わないと 満足した食生活にはならないらしい。

 じゃあ、どうやって何とかするのか?まず労働に対する月々の給与で購入するという方法がある。だが、その話をする前に基本知識としてCubaの通貨の話から説明しなくてはならない。

 Cubaで使用されている通貨は現在CUP(キューバ・ペソ, 人民ペソ, Peso Cubano, MN = Moneda Nacional)と CUC(兌換ペソ, Peso Convertible)という2重通貨となっている。CUPは基本的にCuba国民が使用する通貨で、CUCは外貨のような扱いをされていて外国人は基本的にこちらを使用することになる。 2006年5月の時点で大体 CUP 24 = CUC 1 = USD 0.9 = 100円 ってところだろうか。通常外国人が使用するレストランは基本的にCUC払いになる。観光客向けのレストランになるのだろう。この手の店の物価的には東京より若干安いくらい。

cf02.JPG 写真はViejaにある有名店の料理。Picadillo a la habaneraという牛肉のミートソースみたいな料理。ヘミングウェイもよく来店していたという有名店だけあってなかなか美味い。Cubaでもお金を出せば美味しいものがたまにはある。これと一緒にコングリという豆と一緒に炊いた米。コングリはCubaの基本的な料理で、もち米ではなくインディカ米の赤飯みたいなもの。大抵しょっぱい味付けがしてある。黒い液体は黒豆のポタージュ。甘くないおしるこみたいな感じ。白米にかけて食べるのでコングリと同じような味になる。

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cf03.JPG この店も食事中に生演奏をするバンドがいる。ジャンルでいうとトローバになるのだろうか。基本的にこういう観光客向けのレストランは生演奏付きのところが多い。皆基本的にそこそこに上手い。色々な店で色々な演奏家を観ることができる。それはそれでなかなか趣き深い。そして演奏がある程度進むとメンバーの一人が客席を周りチップを要求してくる。その際に大抵自主制作CD-Rを売ろうとする。大抵の場合ジャケットだけは印刷品質のあまりよくない紙でできていて、ディスク自体は市販CD-Rのままになっているものが多い。

cf05.JPG で、話をCuba国民の給与の話に戻す。Cuba国民の給料はCUP 200~400 = 833~1666円。社会主義なので仕事によらず大きな給与差ができないようになっているはずだ。

 物価は生鮮食料の市場等ではそんなに高くないらしく、卵一個がCUP 1~2位。教育は無料で音楽教育もスポーツ教育も例に漏れず無料で、 医療も基本的には無料らしいが(しかもCubaの医療はかつての国政のおかげで大分進んでいるらしいが、 薬やらなんやらの物資は不足しているそうだ)、安いとはいえ家賃を払う必要がある人もいるし、 給与全てを食糧にあてがうわけにもいかない。満足する為の食料を何とかするには給料だけでは不充分らしい。国のために何かしらの労働をしていれば生きていけるしちょっとだけタバコを吸ったりする楽しみも得ることができるが、 たまには肉も食べたいだろうし、お腹いっぱいになりたいだろうし、酒も飲みたいだろうし、 有名バンドのコンサートに行ってサルサを踊って楽しみたいだろうし、タバコももっといっぱい吸いたいだろうし、 かっこいい服も着たいだろうし、旅行にも行きたいのだろうが、月々の薄給だけではそんな望みはかなえられるはずもない。

cc01.JPG さて、上記の国民の給料の話は主に公務員や国営企業に勤める人の話。

 タクシー、Casa Particur、レストラン、各種修理屋、土産物屋など個人経営が認められている職業もある。
これらの職業の場合、高い税金は払う必要があるらしいがなんだかんだで個人で直接外貨収入を得られるケースがある。

 例えばホテルでボーイをやっていると、外国人観光客からCUC1,2とかのチップを貰ったりして、 それが10回もあれば月の給料をチップが軽々上回るのだ。また、海外へ亡命した家族が仕送りを送っている場合もあるらしい。そうなると国営企業で正規の給与を貰っている人とは収入の格差が生じることになる。基本的に平等であるはずの社会主義のシステムの中でひずみが生じていることになる。しかもそういう人の多くは外国人旅行者を相手に商売をしている。外国人観光客を相手に商売をする方々は何を見ているのだろうか?
外国人観光客は旅行者なので旅行者なりの行動をする。地元の人にとってはありふれたつまらないものでもちょっと位高くてもお金は出すし、 レストランでは従業員の一月の給料と同じ位の値段の料理を注文しては食べ切れなくて残したりするし、 下手すりゃ彼らの年収の何十倍もするブランド物のバッグやらアクセサリーを身につけていたりする。日本製の高そうに見えるカメラを構えている私もそこにいる。

 社会主義というシステムの中で資本主義の誘惑を目の当たりにしている人々は何をもって満足するのだろうか?なんだかんだで人の欲求というものは増大していくもので、満足の度合いに大きな影響を与えていることは 疑いようのない事実であると思われた。レストランのバンドが観光客からチップを集めCD-Rを作って売ろうとするのも、タクシーがメーターを使わなかったり小細工をして 外国人観光客からは通常よりも高い料金にしようとするのも、外国人に英語で話しかけてなんかたかろうとするヒネテーロもヒネテーラも、 増大していく彼らの満足を満たそうとしていることになるのだろうか。


参考文献:
キューバを知るための52章 後藤政子、樋口聡(編著) 明石書店
キューバ―情熱みなぎるカリブの文化大国 WCG編集室 (編集) トラベルジャーナル

2006年5月28日初掲載



タグ:Havana Cuba
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